スキンケアの話題で必ず出てくる「レチノール」。

この記事では、レチノールの使い方と順番、A反応(赤みや皮むけ)の見分け方、合わない人の目安を整理します。

効果を急いで量や回数を増やすと、肌が荒れて続かなくなります。

仕組みを知って、少しずつ慣らす進め方を押さえましょう。

レチノールとは

レチノールとは、ビタミンAの一種で、スキンケア成分として使われる成分です。

化粧品では、ハリや弾力、肌のなめらかさを目的に配合されることが多いです。

医薬部外品では、資生堂が純粋レチノールについて「シワを改善する」効能効果で厚生労働省の承認を受けたと発表しています。

ここで押さえたいのは、似た名前の成分があることです。

酢酸レチノールやパルミチン酸レチノールは、ビタミンA誘導体と呼ばれ、純粋レチノールとは区別されます。誘導体は比較的安定しているといわれ、純粋レチノールは光や熱で分解されやすいといわれます。

レチノールの仲間
ビタミンA系
純粋レチノールそのもの。光と熱に弱い
誘導体酢酸、パルミチン酸など。比較的安定
表示成分名で見分ける

なぜ使い方が大事なのか

レチノールは、使い始めに肌が慣れていないと、赤み、乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感が出ることがあります。

この反応は「A反応」や「レチノイド反応」と呼ばれます。

多くの解説では、肌が成分に慣れるまでの一時的なものと説明されています。

ただし、強い症状や長引く症状は、慣れではなく肌への負担のサインかもしれません。

我慢して続けないことが、いちばん大切なルールです。

A反応のよくある症状
使い始めに出やすい
赤みほてりや熱感
乾燥つっぱりや粉ふき
皮むけヒリヒリを伴うことも

レチノールの使い方。初めての手順

使い方の基本は「夜に、少量を、少ない回数から」です。

  1. パッチテストをする。 腕の内側などに少量をのせ、赤みやかゆみが出ないか様子を見る
  2. 夜だけ使う。 紫外線を浴びる前に肌から落とせる夜が基本とされる
  3. 少量から。 顔全体でも米粒からパール粒ほどを目安に、製品の表示量を超えない
  4. 週2回ほどから始める。 問題がなければ2週間ほど見て、回数を少しずつ増やす
  5. 目元と口元は避ける。 皮膚が薄く刺激を受けやすいため、慣れるまで塗らない
  6. 保湿を厚めにする。 使用中は乾燥しやすいので、クリームで仕上げる
慣らし運転の流れ
1. 試す腕の内側でパッチテスト
2. 週2回夜に少量だけ使う
3. 様子見2週間ほど肌を観察
4. 増やす落ち着いていれば回数を足す

急がないほうが、結局は続きます

レチノールの順番。化粧水の前か後か

順番に唯一の正解はなく、製品の使用順が最優先です。

多く紹介されているのは、次の流れです。

  1. クレンジングと洗顔
  2. 化粧水で水分を与える
  3. レチノール(美容液やクリーム)
  4. 保湿クリームで仕上げる

肌が敏感に傾いている人は、先に保湿剤をなじませてからレチノールをのせる方法も紹介されています。刺激がやわらぐ一方、なじみ方は変わるといわれます。

ほかの成分との組み合わせは悩みどころです。ビタミンCやナイアシンアミドと同じ日に重ねる場合も、まずは1つずつ慣らし、肌の様子を見てから増やしてください。

スキンケア全体の並べ方は、小田切ヒロさんが公表している秋のスキンケアの順番が基本の参考になります。

夜のケアの並び
1. 洗う汚れと日焼け止めを落とす
2. 潤す化粧水で水分を足す
3. 攻めるレチノールを少量のせる
4. 守るクリームでふたをする

製品の表示が違うときは、表示を優先

日中の紫外線対策を欠かさない

レチノールとその誘導体は、使い続けると紫外線の影響を受けやすくなる可能性があるといわれます。

そのため、使っている間は、朝の日焼け止めを習慣にしてください。

保管にも注意が必要です。レチノールは紫外線や熱で分解されやすいため、直射日光を避け、早めに使い切るのが基本とされています。

シミやくすみが気になって使い始めた人ほど、日焼け止めを忘れると逆効果になりかねません。

美肌づくりの全体像は、美肌の決定版ガイドで整理しています。

朝と夜の役割
朝
  • 日焼け止めを塗る
  • 保湿で整える
  • レチノールは避ける
夜
  • レチノールを少量
  • 保湿を厚めに
  • 使用は週2回から

つまずきやすいポイント

赤みや皮むけが出たとき。 軽ければ回数を減らし、保湿を優先して肌を休ませます。強い赤み、腫れ、痛みがあれば中止し、皮膚科に相談してください。

効果が見えないと感じるとき。 化粧品の成分は、使い始めてすぐに変化を感じにくいといわれます。量を増やすより、回数と保湿を見直し、数か月単位で様子を見ます。

ほかの強い成分と重ねすぎたとき。 ピーリング系の洗顔や酸を含む化粧品と同じ日に使うと、刺激が重なりやすくなります。曜日を分ける方法があります。

美容医療やクリニックのケアと並行するとき。 施術の前後は、レチノールを止める指示が出ることがあります。担当の医師に確認してください。クリニックとホームケアの役割分担は、美容クリニックとホームケアの役割を整理した記事も参考になります。

肌の状態別の目安
軽い少し乾く。回数を減らして保湿
続く赤みが数日続く。一度お休み
強い腫れや痛み。中止して皮膚科へ

使わないほうがよい人と、相談の目安

次の人は、使う前に医師へ相談してください。

  • 妊娠中、妊娠を希望している、授乳中の人(レチノイド系は避けるよう案内されることが多い)
  • 皮膚炎、アトピー、酒さなど、肌トラブルで治療中の人
  • 敏感肌で、化粧品で赤みが出やすい人
  • 皮膚科で処方薬(レチノイド系の外用薬など)を使っている人

処方薬と化粧品のレチノールを重ねると、刺激が強く出る恐れがあります。自己判断で併用しないでください。

使う前の確認
健康肌少量から試せる
敏感肌低濃度から、医師に確認も
妊娠中使う前に必ず医師へ相談

よくある誤解

「レチノールは濃度が高いほど効く」と言われがちですが、高濃度ほど赤みや皮むけが出やすく、続かない人が増えます。低濃度から慣らすほうが現実的です。

「皮がむけるのは効いている証拠」と言われがちですが、皮むけは肌への刺激のサインでもあり、効果の目印とは言い切れません。

「日中に塗れば長く効く」と言われがちですが、光で分解されやすく、紫外線の影響も受けやすくなるため、夜が基本です。

「PDRNやほかの成分より強い」と言われがちですが、成分の優劣は目的で変わります。PDRNの記事のように、成分ごとに位置づけを見るほうが判断しやすいです。

まとめ

レチノールはビタミンA系の成分で、夜に少量、週2回ほどからが基本です。

順番は、洗顔と化粧水のあとが目安で、製品の表示が最優先です。

赤みや皮むけが強いときは中止し、妊娠中や授乳中、治療中の人は医師に相談してください。

朝の日焼け止めと保湿を欠かさないことが、続けるための土台になります。

自分の肌のタイプや老化リスクを知りたい人は、1分でできる肌老化リスク診断も使ってみてください。

肌トラブルが続く場合は、専門家・医療機関にご相談ください。

この記事の要点
レチノールの基本
夜少量を週2回から
守る日焼け止めと保湿
止める強い症状は中止