腸活の話で最近よく見かける「酪酸菌」。

この記事では、酪酸菌の効果はいつから期待できるのか、サプリはどう選ぶか、合わない人はどんな人かを整理します。

大事な前提を先に言うと、酪酸菌は「飲めば変わる魔法の菌」ではありません。

腸の中の仕組みを知ると、サプリと食事の役割分担が見えてきます。

酪酸菌とは

酪酸菌とは、腸の中で食物繊維などを材料に、酪酸という成分をつくる細菌の総称です。

酪酸は短鎖脂肪酸の仲間です。

短鎖脂肪酸には酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあり、どれも腸内細菌が食物繊維を発酵させてつくるといわれています。

酪酸は腸の粘膜の細胞のエネルギー源になると考えられており、腸内環境の話で注目されています。

つくり方はリレー形式です。

乳酸菌やビフィズス菌が乳酸や酢酸をつくり、それを材料に酪酸菌が酪酸をつくる、という流れが説明されています。

酪酸ができるまで
1. 食事食物繊維やオリゴ糖が腸に届く
2. 前段乳酸菌などが乳酸や酢酸をつくる
3. 酪酸酪酸菌がそれを材料に酪酸をつくる

最初のエサがないと、リレーは始まりません

酪酸が注目される理由

腸の粘膜は、体の内側と外側の境目にあたる場所です。

酪酸はこの粘膜の細胞のエネルギーになり、腸の環境を整えるほうへ働くと考えられています。

また、酪酸は乳酸菌やビフィズス菌の働きにも関わるといわれます。

腸が整うことと肌のコンディションの関係は、腸活と美肌の関係をまとめたガイドで詳しく扱っています。

ただし、短鎖脂肪酸の働きの多くは、まだ研究が進んでいる段階です。

酪酸菌のサプリで肌や体型が変わる、と言い切れる状況ではありません。

腸の中の役割分担
腸内環境
エサ食物繊維とオリゴ糖
前段乳酸菌とビフィズス菌
酪酸菌酪酸をつくる担当

酪酸菌の効果はいつから?続け方の目安

効果を実感するまでの日数は、はっきり決まっていません。

腸内にすむ菌の顔ぶれは人によって違うため、同じ量を飲んでも感じ方が変わります。

参考になるのは、整腸剤に書かれている使用上の注意です。

たとえば宮入菌を使った整腸剤では、1か月ほど服用しても症状が変わらないときは、使用をやめて医師や薬剤師に相談するよう表示されています。

つまり、短期間で見切るのでも、半年だらだら続けるのでもなく、数週間から1か月を一区切りにして見直すのが目安です。

続けるコツは次のとおりです。

  1. 飲む時間を決める。食後など、習慣に紐づける
  2. 表示された量と回数を守る
  3. 便の状態とお腹の張りを、週1回だけメモする
  4. 1か月たったら、続けるか薬剤師に相談するか決める
見直しのタイミング
数週間表示どおりに続けて様子を見る
1か月変化をメモと見比べて判断する
悪化強い腹痛や下痢は中止して相談

サプリと整腸剤の違い

「酪酸菌」と名のつく商品は、大きく2種類あります。

ひとつは食品として売られるサプリです。

もうひとつは、医薬品や医薬部外品として売られる整腸剤です。

整腸剤は、便通を整える、軟便、便秘、お腹の張りなどの効能が表示されます。

サプリは食品なので、治療や症状の改善をうたうことはできません。

どちらが良い悪いではなく、目的が違います。

便の悩みが続いているなら整腸剤を薬剤師に相談する、毎日の腸活の補助ならサプリを検討する、という分け方が考えやすいです。

サプリと整腸剤
サプリ
  • 食品の扱い
  • 毎日の補助向き
  • 効能の表示はなし
整腸剤
  • 医薬品や部外品
  • 便の悩み向き
  • 効能が表示される

迷ったら薬剤師に聞くのが近道です

酪酸菌サプリを選ぶときの比較ポイント

サプリを選ぶときは、次の点を見比べてください。

  • 菌の種類と、1日あたりの配合量が書かれているか
  • 乳酸菌やビフィズス菌など、ほかの菌や食物繊維が一緒に入っているか
  • 添加物や甘味料の有無
  • GMP認定の工場で製造されているか
  • 3か月続けたときの総額。継続前提なので1か月分だけで決めない

「飲むだけで痩せる」「腸が変わる」といった断定的な広告は避けてください。

サプリは医薬品ではなく、症状の治療を目的としたものではありません。

購入前のチェック
表示菌の種類と量が書かれている
製造GMP工場や問い合わせ先が明記
断定痩せる、治る、の広告は避ける

酪酸菌と食べ物。ぬか漬けと食物繊維

酪酸菌そのものを含む食品は、かなり限られています。

身近な例として、ぬか漬けが挙げられることが多いです。

ただし塩分があり、毎日たっぷり食べるのは向きません。

そこで現実的なのが、腸にすんでいる菌のエサを用意する考え方です。

酪酸は食物繊維が発酵してできるため、発酵しやすい食物繊維を日常的に摂ることが基本とされています。

食物繊維が多い食品の例は、豆類、海藻、いも類、きのこ、もち麦や玄米などです。

酪酸をつくる過程にはビタミンB1も必要といわれるため、玄米や豚肉などを組み合わせる献立も紹介されています。

食物繊維の足し方は、紗栄子さんが公表している腸活の考え方でも整理しています。

発酵食品との付き合い方は、神崎恵さんが公表している発酵食品と玄米の食事も読みやすい一例です。

食事で整える3本柱
酪酸をつくる食卓
食物繊維豆、海藻、いも
発酵食ぬか漬けを少量
B1玄米、豚肉

種類を変えて、毎日少しずつ

合わない人と、相談の目安

次のような場合は、使い始める前に医師や薬剤師へ相談してください。

  • 病気で治療中の人、または服薬中の人
  • 妊娠中、授乳中の人
  • 年齢の小さい子ども。製品によっては5歳未満は服用しないと表示されています
  • 過去にサプリでお腹の調子を崩したことがある人

使い始めに、お腹の張りや軟便が出る人もいます。

強い腹痛や下痢、血便が出たときは、使用をやめて医療機関を受診してください。

腸の不調が続く場合は、サプリより先に専門家へ相談するほうが安心です。

相談の目安
健康表示の量を守って試す
服薬中薬剤師や医師に確認する
強い症状中止して医療機関へ

よくある誤解

「酪酸菌サプリを飲めば腸内環境が整う」と言われがちですが、菌だけを入れても、エサがなければ働きにくいといわれます。

食物繊維を足す食事の土台が先です。

「ヨーグルトを食べていれば酪酸菌も増える」と言われがちですが、乳酸菌と酪酸菌は別の菌です。

役割を分け合っているので、両方を支える食事を意識しましょう。

「酪酸菌を摂ると痩せる」と言われがちですが、現時点でそう断定できる根拠は十分ではありません。

腸の状態は、睡眠や運動、ストレスとも関わります。

腸と脳のつながりは、腸脳相関から夏の脳疲労を考えた記事でも触れています。

まとめ

酪酸菌は、腸内で酪酸をつくる細菌の総称です。

実感の目安は数週間から1か月。表示どおりに続け、変わらなければ見直しましょう。

サプリは食品、整腸剤は医薬品や医薬部外品と区分が違います。

土台は食物繊維の多い食事で、サプリはその上に足す位置づけです。

自分の腸の状態がどのタイプか知りたい人は、1分でできる腸活セルフチェックも使ってみてください。

持病や服薬がある場合、症状が続く場合は、専門家・医療機関にご相談ください。

この記事の要点
酪酸菌の基本
仕組み食物繊維から酪酸
目安数週間で見直し
土台食事が先